製造工程で発生する
バイオマスの有効活用

豊かな食を楽しむためには、自然環境を守ることが大事だと考えます。九鬼産業は一歩先の未来を見据えて、人だけでなくすべての生き物が命を繋いでいける、そんな環境に配慮した活動に取り組みます。


九鬼産業が目指す資源循環型システム

製造工程で発生するごまの搾り粕や表皮といった副産物を、
肥料として再資源化することで有効活用しています。

製造工程で発生するバイオマス

ごまの搾り粕

ごまの油分含量は約50%、つまり残りの50%は搾り粕になります。私たちの工場では日々たくさんのごま粕が作り出されています。ごま粕にはミネラル分やたんぱく質が豊富に含まれており、ごま特有の良い香りがします。


ごまの表皮

ねりごまの製造過程でごまの皮を剥く工程があります。当社では化学薬品を使用しない、独自の製法で皮を剥いているため、肥料原料として安全に使用できます。


ごま由来の原材料を使った肥料

肥料を作る

三重県大紀町にある工場(紀州林業場マニュアー工場)にて、ごま由来の原料を発酵させて堆肥や肥料を製造しています。当社の肥料は粉体タイプとペレットタイプ(押し固めたもの)があります。もちろんごま粕の配合割合を変えたり、魚粕を加えたりと、様々なタイプの肥料を製造しています。


肥料を使う

製造した肥料は自社農場でごまなどの栽培に使用しています。ごま由来の肥料から新たにごまを栽培し、収穫したごまを商品化しています。“ごま”という資源を無駄なく再活用し、環境にやさしい循環型システムを構築しています。


肥料を販売する

肥料は自社農場に使用するだけでなく、農業者の方に対して販売も行っています。当社の肥料はごま由来のため、ミネラルや窒素分が豊富です。お茶栽培にもよく使用されています。


山林を守る

山林を守ることで生物の多様性や環境保全、土砂災害の防止などにつながります。
ごまという恵みを与えてくれる自然環境を私たちは守りつづけます。

山林所有の始まり

明治後期、東海地方で有数の資産家であった九鬼家は錦町(三重県度会郡大紀町錦)の山林に可能性を見出しました。当時の材木は商品価値が高く、新たな事業になりえると考えたのです。明治36年、正式に錦町の山林を購入。続いて飛騨、美濃地方の山林も購入し、山林経営に着手しました。主な業務として材木の伐採、伐採跡地への植林、枝打ち、間伐などを行いました。

山林が本業を助ける

130年を超える歴史を紡いできた九鬼産業ですが、その道は決して楽なものではありませんでした。時には苦難に直面する時代も経験しました。特に伊勢湾台風やオイルショックの際はメイン事業(製油)が大打撃を受け、非常に苦しい経営状況に陥りました。そんな時、当社を救ったのは山林でした。材木を売ることで、九鬼産業の経営を支えたのです。山林経営に着手するという先見の明が、九鬼産業を助けることに繋がったのです。

山林の今

昭和60年以降は材木輸入自由化に伴い、材木価格が低下したため、森林の維持管理を主業務に変更しました。今でも当時の山林を所有しており、地球環境を守るため、維持管理を継続し続けています。